COLUMN 2016.02.19
そこに裏付けはあるのか?
『何かいいお店って感じるのが大事なんです』
『売れるお店のつくりかた』セミナーなるものを受講した時のこと。
きっと、どんな業界でも同じような取り組みは当たり前にあって、外部から考え方を新たに取り入れたり、 又は講師をお呼びして更なる向上の為に学んだり、 要するに、商売繁盛セミナーみたいなものがあると思う。
この時は “売れるお店”=“繁盛するお店”
として、その為の内装デザイン、店舗設計の観点からのセミナーでした。
セミナーの講師はとても沢山の店舗デザインを手がける、美容の業界では正に売れっ子のデザイナーさん。
沢山のデザイン事例を挙げられ、考え方がとても勉強になったのは言うまでも無いのですが、
ふ、と仰られた、冒頭の言葉が頭に痛烈に残っています。
『いいお店をつくるのって、 何かこのお店いい感じって凄く大事なんです よ、、。』
『木漏れ日から日が差しているのを見て、理由 は分からないけど、何かいい感じって、感じ ますよね?』
沢山の事例とケース毎に色んな工夫や仕掛けをされてきてのその言葉。
とても感慨深いものがありました。
“何かいい感じ” の、その“何か”をつくる為には“何となく” 偶然にもできただけでなくて、
経験や確かな数値からの計算や情報を用いて その “何かいい感じ”をつくるのだと思う
実際にも音響の事や照明のお話をされていて
なるほどこういう事が“何かいい感じ” をつくるのだなと納得させられる場面が幾つもありました。
お客様へ感じてもらうという点では我々、美容師も同じことが言えよう。
『この美容師さん、何かいい感じ』 『このヘアスタイル、何かいい感じ』
っと、感じてもらえる為には何が必要なのか?
お客様からヘアスタイルについて聞かれた時に 『いや、何となく、。』
では、説得力にも安心感にもならない
あなたの周りに、とても居心地の良い友人がいると思う。 それはもしかしたら、ただ、居心地が良いのでなく、 自分が居心地が良いと感じてもらえる様にしてくれてるからなのかもしれない。
友人関係ではそこまで考える必要は無いかもしれないが、仕事となっては別だ。
稀に、本当に先天的にとてつもなくバランス感覚が優れていたり、 天才と言われる様な人もいるかもしれないし、 長いお客様との信頼関係の築かれた互いの事を知った仲なのならば、そういったあやふやなやりとりが、 愛嬌としてプラスに働くかもしれない。
つまり、その何か、を、つくる為には裏付けされた技術や情報からくる根拠をもってして成せるものだと思う。
自分は勿論、スタッフもお店の空間も、
“何か良いよね” “だから良いよね”
と、選んでもらえる為に、やらねばいけない事はまだまだ沢山ある。
Lond ロンド 吉田牧人